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田村啓美元アナウンサーのラジオ復帰を望む

ラジオ局ではおそらく、秋改編に向けての動きが着々と進行しているものと思われます。最近は主要都市圏のラジオ局で、早々に番組終了もしくは新番組開始がアナウンスされることが少なくありません。またこの時期は番組DJ/パーソナリティの夏休み取得時期に当たり、そのタイミングで”局の次世代を担うかもしれない方”が代打を務め、成果を上げれば秋以降の改編で番組を持つ...ということも見られます。

 

さて、個人的に切望しているのが、RABラジオへの田村啓美元アナウンサーの復帰、なのです。

田村元アナウンサーはRAB青森放送に所属し、『ズームイン!SUPER』(日本テレビ系)などの番組に起用される一方、ラジオでも『あおもりTODAY』、『田村啓美のまるごと歌謡曲』(いずれもRABラジオ。前者は昨秋番組自体が終了、後者は鮫島大史アナウンサーに引き継がれました)といった人気番組を担当。テレビ・ラジオ問わず活躍する姿にファンも多かったのですが、テレビ番組『ZIP!FRIDAY』(毎週金曜15時50分)の立ち上げ時(2012年4月)に起用された後、翌2013年秋にアナウンサー職からテレビ制作側へ異動、テレビ制作への専念を理由に翌2014年春をもってラジオ番組から降板しました。

 

その田村元アナウンサーの、ラジオでの生声を聴いたのが一昨日のこと。『伊奈かっぺい・旅の空うわの空』(RABラジオ 毎週月曜19時。ただしナイターオフシーズンは開始時間変更)で年1回程度行われる八戸市からの公開生放送で、かっぺいさんの相方を務めていたのが田村元アナウンサーでした。いつもの相方である秋山博子アナウンサーが『RABニュースレーダー』(青森放送 月-金曜18時15分)出演のため物理的に出演出来ず、その代わりに以前から公開生放送を担当していた田村元アナウンサーが呼ばれたのでしょう。ラジオで声を聴くのは久しぶりだったのですが、一切のブランクを感じさせない軽快な喋りに嬉しくなりました。

 

田村元アナウンサーの特徴を上げるならば、①よく笑う、②主役を引き立てる、③進行がスムーズ...というところでしょう。

一昨日の放送でも、田村元アナウンサーの通称”ガハハ笑い”は健在。本当によく笑うのですが、そこに不快感は一切感じられないのです。作り笑いや演技でもなく、面白いと思ったことに純粋に反応して笑っており、聴いていてとにかく気持ちいいのです。そういえば、ガハハ笑いに似た笑い声を持つ女性がメインを務める番組があるのですが、そちらは笑い方が上品には聴こえないこと、そして(その方の冠番組ゆえ仕方ないのかもしれませんが)ゲストを招く際も遠慮無く笑うため聴き手というよりは主役感が強く悪目立ちするのが残念だったりします。田村元アナウンサーのガハハ笑いは、その方とは正反対で実に上品なのです。

主役の引き立て方も見事でした。ゲスト(スポンサー)を招いた際に一歩下がる点、主役の伊奈かっぺいさん独特のトーク(個人的には、皮肉やブラックジョークが得意ではないので好き好んでは聴けないのですが)を、立つ鳥跡を濁さぬようきちんとフォローして回ることで好感を抱かせ、そして主役であるかっぺいさんの邪魔をしないため、かっぺいさんのトークもより冴え渡るのです。もしかしたらかっぺいさんにとって、田村元アナウンサーは非常にやりやすい相手なのかもしれず、ラジオから退いたとはいえ、かっぺいさんの鶴の一声で田村元アナウンサーが招聘されたのではないかと想像出来ます。

無論進行もスムーズで、当然かもしれませんが提供読み等が明瞭な発音と抑揚で非常にわかりやすく、またかっぺいさんの色紙の会場へのプレゼントの際には時間がない中でくじを引き観客とやりとりし、5枚それぞれ異なる色紙の内容にツッコミを入れることも行っていました。文字にすると簡単かもしれませんが、提供読みの開始時間はほぼ決まっているため、そこまでの短い時間にそれだけのやりとりを行うとなると慣れないアナウンサーだとあたふたするかもしれません。それをあまりにもスムーズにこなせるのは田村元アナウンサーの進行力の賜物といっていいでしょう。

 

 

自分は今回の放送を仕事帰りに偶然聴くことが出来、しかしながら後半30分ちょっとのみの聴取だったため全体の放送がどんなものだったかは解りかねるのですが、30分ちょっとの間だけでも田村元アナウンサーのラジオとの相性の良さをあらためて実感するに至りました。今回の起用が単にかっぺいさんのラブコールによる年1回の特別対応だった可能性が高いことは承知の上で、それでもテレビ制作だけに留めておくのは実に勿体無い気がします。メインも出来、またアシスタントも十二分にこなせる方は非常に貴重ではないでしょうか。いや、両方行うアナウンサーはいるとして、行うこととこなすことは全くの別物。確かな技術と、主役やリスナー、音楽そしてラジオそのものへの愛情がないと”こなす”にまで至れないと思うのです。その意味でも、秋改編で田村元アナウンサーのラジオ復帰を望まずにはいられません。