サッカー女子日本代表のみなさん、遅ればせながら本当にお疲れ様でした。
サッカー女子ワールドカップの注目の高さは、視聴率にも表れていると言えます。
フジテレビが6日午前7時45分から放送したサッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会決勝戦、日本-米国の平均視聴率(関東地区)は17.2%だった。
・時事ドットコム:米国戦視聴率は17.2%=なでしこW杯決勝(7月7日付)より
フジテレビはサッカー女子ワールドカップの日本戦、全7戦を放送。これまでの放送実績が、フジテレビと女子サッカーとを密接にリンクさせ、放送権獲得に至ったのは想像に難くなありません。そしてフジテレビでは4年後を既に見据えています。
・フジテレビ4年後もなでしこ 早朝でも視聴率好調 - 芸能 : 日刊スポーツ(7月7日付)
さて...フジテレビが入らない地域では、その恩恵を受けることが出来ませんでした。そんな地域があるのかと思われるかもしれませんが、私の住む青森県津軽地方はフジテレビが視聴出来ないのです。NHKのBSでも生中継していたとのことですが、(現在こそ機器は普及したとはいえ)BSが視聴可能な世帯でなければ試合を観ることが出来ず、ゆえに歯痒い思いをしていた方は津軽地方在住者に多くいらっしゃったはずです。
ちなみに、青森県ではむつ市等が北海道の、八戸市等が岩手県のチャンネルを物理的に視聴可能。また青森市および八戸市の多くの世帯ではケーブルテレビを経由して有料で北海道もしくは岩手県の民放局を視聴可能であり、他方弘前市など津軽地方は物理的にもまたケーブルテレビ未発達の面でも、たとえば秋田県のフジテレビ系列局を観ることが出来ません。自分の住むところは秋田県との県境にほど近い地域ではありますが、山間部ゆえ秋田県の電波が入らないどころか青森県側のも強くない状態です。
民放テレビ局について、日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日およびテレビ東京というキー局における地方局の開局は、さくらんぼテレビ(山形県 フジテレビ系)と高知さんさんテレビ(高知県 フジテレビ系)の1997年4月開局以来ありません(テレビ局開局順位一覧より)。既に20年近く前の出来事ですから、今後の開局はないと断言していいでしょう。それゆえ、都道府県別テレビ局一覧によると、例えば東北地方では青森県でフジテレビ系が、秋田県ではTBS系が観られないということになります。尤も、ケーブルテレビの発達や電波の”越県”で補完出来るかもしれませんが、先述したようにたとえば青森県ではそれらがすべての地域をカバー出来ているわけではありません。
この”フジテレビが入らない青森県”という状態に慣れてはいるのですが(そしてそれを承知で帰省したのですが)、今回のようなサッカー女子ワールドカップの地上波独占放送などがあると、やはり悔しさ等に苛まれてしまうもので。とりわけ、『笑っていいとも!』最終回の後、同日夜に放送されたスペシャルが観られなかったのはあまりに痛かったですね。スペシャルならではのコラボレーション等が今でも語りぐさになっているにもかかわらず、その話についていくことが出来ないのですから。
こう書くと、フジテレビに固執していないか?と思われるかもしれません。視聴率的に振るわず問題も少なくない局を推す理由や、そもそもオワコン(この言葉は最近用いられていませんが敢えて使用します)のテレビになぜ執着するのか、とも。ならば、Twitterのトレンド上位にテレビ関連の話が絶えず登場する事態はどう説明すればいいのでしょう。なんだかんだ言いながら、それでも未だにテレビが文化等を発信する中心であるのではないでしょうか(ちなみに、テレビは終わったと言う人が、テレビの内容を口にした上で叩くという姿勢も散見。これってそもそもテレビを観ていることで生じるわけで矛盾しているんですよね)。そう考えると、少なくとも(ネット局が極端に少ない)テレビ東京を除く4局の地方局が全都道府県に配置されないのは、その情報等受信機会の喪失...と考えるのは大袈裟かなと思ったのですが...そうではないようです。
そう思った理由は、『わっち!』(青森テレビ(TBS系) 月-金曜 16時48分)の6月16日放送分で視聴者から募ったメッセージテーマへの反応にあります。この日のテーマが、セブン-イレブンの青森県進出にちなんで”青森県にほしいもの”だったのですが、Twitterでの視聴者がつぶやいていた”フジテレビ!”という声の多さに触発されてか、MCを務めるキューティーブロンズの千川さんも激しく同意していたのが印象的でした。TBS系列局でフジテレビが...という発言に、スタジオの空気が淀んだことは画面を通じてひしひしと伝わっては来たのですが、よしもと住みます芸人のキューティーブロンズにとっては、たとえば目標にしていたのかもしれない『THE MANZAI』が視聴出来ないというデメリットは非常に大きいのではないかと。それゆえの心の叫びだったのかもしれません。その流れを踏まえ、自分も投稿したところ、下記ツイートが画面に表示されました。
青森にほしいもの...少なくともフジテレビがないのはおかしいですね。人口流出が県の課題だと言いますが、チャンネルが他県より少ないことで不満を持つゆえ引っ越す人は少なくないはずです #wacchi あとは、JFL系(FM)の局がほしいところ。青森市のコミュニティFM開設も視野にとか
(同日のTwitterより)
このツイートをスタッフが拾ったということは、”フジテレビ”発言は実質タブーではなかったのか、それともスタッフの独断だったのか、それとも他に理由があったのかは分かりません。しかしながら、フジテレビ系列局がないことの不満を抱く人が少なからずいらっしゃることを知ることが出来た気がします。
実は、青森県庁ホームページにこのようなQ&Aがあります。
■提言内容
青森ではフジテレビ系テレビ局は一体いつになったら開局するのか。
(以下略)
3年前に更新された同ページでは、提言に対する企画政策部からの回答も掲載されており、このやりとりを観るに、やはり青森県でフジテレビ系列局をという声は少なからずあること、その声の少なくなさを県の行政側も認識していること、その上で物理的事情から難しいこと、を察することが出来ます。
物理的事情は十分解るのですがその上で、県の行政側には、先に自分がつぶやいた人口流出の側面を踏まえて、【青森県では他県に比べて、メディアを十分に享受出来ないことが青森県から離れた一因である、という方がどのくらいいるか】を是非とも調査していただきたいものです。その客観的な数値を計ることにより、フジテレビ系列をそもそも設けることの是非や、もしくは【青森テレビ(TBS系)と秋田テレビ(フジテレビ)で電波を相互補完する】というような(突飛な)発想(を承知で書きましたが)を具現化させるかなどの考えを巡らす(もしくは巡らさなくともよい)きっかけになるのではないかと。不満をくすぶらせたままで、たとえば2020年の東京オリンピックが開催された際に今回のサッカー女子ワールドカップと同様の事態が生じてしまっては激しく機会損失というか、青森県では観たいものが観られないというくすぶりをより際立たせるだけではないか、と。最終的にはそのくすぶりが人口流出を生み、もしくは加速させていることが客観的数値により証明されれば、県の行政側にとっても看過出来ない事案となるはずです。
無論、この先もフジテレビ系の放送をリアルタイムで観られないことはほぼ理解、承知しているのですが、たとえば民放ラジオ局がインターネットを用いたradikoプレミアムによって越県を果たした以上、先述した相互補完などは100%無理だとは言い切れないと思うのです。まずは今一度、議論のテーブルに”青森県にフジテレビ系列局を”を乗せることを希望します。