イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

昨日のラジオ特集、セクシャルマイノリティに関する(勝手ながらの)補足

昨日のRABラジオ『GO!GO!らじ丸』(月-金曜 11時55分)の水曜特集コーナー、”にじ丸水曜 坂本サトル ラジオジャーニー”にて、セクシャルマイノリティが特集されていました。弊ブログでもセクシャルマイノリティについて何度か記載していますが、近年メディアで登場する機会の多い”LGBT”には続きがある(LGBTのあとに”I...”と続く)ことを恥ずかしながら知りませんでした。

LGBT(LGBTI)については下記を参照してください。

LGBTIと医療~多様な性を生きること | ヒューライツ大阪(財団法人アジア・太平洋人権情報センター)

 

特集OA中、リスナーからのメッセージが紹介されていました。日本でのセクシャルマイノリティへの取り組みの薄さ、特にメディアの取り扱いのずさんさ(ゲイはオネエの一種と紹介するワイドショーがあったり、オネエタレントをぞんざいに扱う点等。尤も、オネエタレントが”分かってて”振る舞う場合もある、と)、オリンピック等開催地の選出条件が差別がないことにも関わらず日本では差別意識”すら”ない現状...それらを踏まえ、ゲストとして登場した女性カップル(および彼女たちの行動)を支持し、同時にメディアの認識等の再考を促したい...というもので、自分の意見(弊ブログ内でも記載しています)に沿うものでした。

 

今回、特集コーナーに出演された青森市在住の女性カップルは、青森市役所に婚姻届を提出し、同市より”不受理証明書”を受領しています(ラジオでも述べられていました)。その証明書の写真は下記記事に掲載されています。

青森の女性カップル 婚姻関係がないと制度上「生きづらい」 | THE PAGE(2014年7月8日付)

カップルのひとりの親が病気になり危うい状況に陥った際、”夫婦ではないため面会謝絶”となった話も出ていました。そういう話を聴く度に、特に公共機関は様々なマイノリティが確実に存在するという前提で物事を考えていないのではないか?と怒りすら覚えました(市職員の『珍しい人たち』(THE PAGEの記事より)扱いには特に腹ただしくなります)。ゆえに、渋谷区のいち早い取り組みはやはり評価されて然るべきだとあらためて実感しています。

Listening:<東京・渋谷区>パートナーシップ条例成立 同性カップル、権利前進 - 毎日新聞(4月1日付)

パートナーシップ証明書で何ができるの? 治療の同意書は? 渋谷区条例制定 - ファイル - アピタル(医療・健康)(4月5日付)

 

女性カップルは(THE PAGEの記事では匿名でしたが)ラジオ内で実名で登場し、セクシャルマイノリティについて様々なメディアで(『GO!GO!らじ丸』では火曜日にも出演したことがあり、そこでも)語っています。昨日のラジオを聴いて思ったことは、決して公共機関を非難しているというわけではなく(尤も、オネエタレントを面白おかしく扱うテレビのバラエティ番組には苦言を呈していましたが)、主にセクシャルマイノリティ以外のいわば”マジョリティ”の方が持ち合わせている差別意識 -当人たちはそれを”差別”とすら思っていない- を顕在化させ、その内なる差別意識に気付いてもらおうと思っているのではないか、と。青森市からの婚姻届における不受理証明書について、”それをもらった人は多分いないのでは?”と言っていたのが印象的で、なぜセクシャルマイノリティは不受理なのか、そもそもセクシャルマイノリティが結婚する(婚姻関係を持つ)ことは不自然なのか?という疑問の種を植え、市役所の方々に”気付き”を与えることが出来た...というような表現を聴いて、顕在化することの意味を実感した次第。セクシャルマイノリティは地方では存在しない、存在したとしてもオネエのような人だ...という、マイノリティ側から見れば原始時代の考えか!という感覚が未だ蔓延っている地方(特に青森という”超保守”な場所)で、蔑視(そして蔑視とすら気付いていないマジョリティの認識)を責めるのではなく気付いてくれたら嬉しいとして、言葉を荒らげることなく語る姿に感銘を受けました。それゆえ、支持し応援したい思いに駆られています。

 

実際、女性カップルの方々が率先して、4月に青森市でレインボーパレードを開催しているのは凄いことだなあと。

「テレビの中ではなく、ここにいます」――青森駅前の性的少数者パレード — オルタナ: ソーシャル・イノベーション・マガジン!「オルタナ」(5月13日付)

東京で一大イベントとなった【東京レインボープライド】のパレードと同じ日に、24人という少数ながら実施。これもまたひとつの種になって、今後支持を集めていくでしょう。逆に言えば観に(参加しに)行かなかった自分が悔やまれてならず、いつか行こうという思いを強く抱きました。

 

 

『GO!GO!らじ丸』ではセクシャルマイノリティについて考えるイベントを紹介していましたが、その他にも様々なイベントやスペースがあるので、勝手ながら補足の意味を込めて紹介させていただきます。

 

青森ELM店 | Lush (五所川原市ELM内)

LUSHは政治的なメッセージを他企業より積極的に発信しているという印象があります。この店舗で今度の土曜と日曜、『北東北研修セミナー実行委員会の 方々と共同チャリティーパーティーを実施』とのこと(ホームページより)。詳細はYouTubeにも掲載されています。

 

第10回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル

アウガ5階にあるカダール(AV多機能ホール)にて毎年開催されている、セクシャルマイノリティを題材にした映画の上映、および企画展。自分も以前、同フェスで一十三十一さん主演の『百合子、ダスヴィダーニヤ』(音楽ナタリーの記事はコチラ)を鑑賞しました。映画を観て何かの気付きが得られたならばいいですね。こちらは来週の土曜、11日に開催されます。

 

Osora ni Niji wo Kake Mashita

青森市の駅前銀座に昨年オープンしたコミュニティカフェ&バー。ラジオに出演した女性カップルが運営しているとのこと。青森市にこのような店舗があるのを知りませんでした。

 

 

昨日のラジオを聴いた方でひとりでも多くの方が、セクシャルマイノリティについて考えるきっかけになれば、マジョリティ側の方が知らず知らずのうちに差別意識を持ち合わせていないかと省みられたならば、さらにはセクシャルマイノリティの方が勇気を持てたならば...皆が次の一歩に踏み出せたならばいいですね。それで青森がセクシャルマイノリティに明るい街になるならば素晴らしいことだと。性的な面に限らず、この思考は数多くのマイノリティについて考える一助になるものとも考えます。