イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ジャネット新曲公開、そして影響源と思しき曲達

突発的な事態に因るストレスに苛まれたのか、熟睡出来ず午前3時前に一旦起きてしまったのですが、Twitterを開いたらbmrジャネット・ジャクソンの新曲公開をアナウンスしていました。タイトルは「No Sleeep」。眠れない夜になんという偶然…とはいえこの曲は”愛する人に捧げる”、とジャネットはつぶやいています

効果的な雨のSE、ミディアム且つメロウな曲調、ジャネット独特のコーラスの重ね方(主旋律のオクターブ下で半ばユニゾン的に歌うことで奥行きが広がる、等)...これぞまさしくプロデューサーチーム、ジャム&ルイスの真骨頂だと言えます。YouTubeの説明文では”New Single”と記載しているので、もしかしたら明日にでもiTunes Storeにて販売開始、なのかもしれません。

 

この公開を受けて、音楽ジャーナリストの林剛氏が興味深いツイートを。「No Sleeep」の元になった2曲はコチラでは?とつぶやいています。動画を引用するならば。

・The Avila Brothers「I Want You」

  (from『The Mood : Soundsational』(2005)→iTunes Store)

・Angel Grant「Hey You」

  (from『Album』(1998) Produced by Jimmy Jam & Terry Lewis)

音楽的素養や表現力が乏しいため上手いことは言えないのですが...「No Sleeep」での”たゆたう”感覚は、確かにこの2曲を踏襲しているのかもしれませんね。

 

アヴィラ・ブラザーズは自身の作品をリリースする前年、ジャネットのアルバム『Damita Jo』(→iTunes Store)の数曲を手掛けています(Experience - THE AVILA BROTHERS参照)。プロデュースはジャム&ルイスと明記され、アヴィラ・ブラザーズは共同プロデュース名義ではありますが。もしかしたら、ジャネットおよびジャム&ルイスとの仕事で掴んだエッセンスを基に、「I Want You」は生まれたのかもしれません(し、もしかしたら今回の「No Sleeep」にも共同で...ということもあるかも?とはいえ、メンバーのひとり、IZのTwitterアカウントでは現段階でそのような表記はありませんが)。

また、エンジェル・グラントは『ジャム&ルイスのレーベル、Flyte Time Recordsの第一弾アーティストとして彼らのバックアップを受けて1998年に"Album"でデビュー』(ジャム&ルイスの秘蔵っ子が12年ぶりに復活。 | Angel Grant | BARKS音楽ニュース(2010年1月28日付)より)した歌手。ヒットには恵まれませんでしたが、透明感のある作品群はたしかにジャネットを彷彿させますし、「No Sleeep」のBPMを落とし主にベースラインを強めにすれば「Hey You」に近い形になるかもしれません。

 

...そう考えると、「No Sleeep」はジャム&ルイスの過去の作品群(およびその派生作品)を踏まえ、よりジャネットに沿った形でブラッシュアップした、まさにジャム&ルイスでしか成し得ない作品といえるでしょう。『Damita Jo』以降徐々にジャム&ルイスとの蜜月が減ったことを危惧したファンに対する、最良の形での復活ではないかと思います。『Conversations In A Cafe』というタイトルになるであろうアルバムのリリースが、俄然楽しみになってきました。