イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

90年代UK産、きらびやかなR&Bを回顧する

昨日放送の『ジェーン・スー 相談は踊る』(TBSラジオ 毎週土曜19時)。代行MCとして番組に初出演したフリーアナウンサー、南部広美さんとスーさんとの掛け合いが面白く、楽しく聴くことが出来ました。サザエさんでいうところの花沢さんコンビという表現でふたりの立ち位置が鮮明に解り、その形容の見事さにはラジオ人として唸らされたほどです。ちなみに南部さんがレギュラー出演する『荻上チキ Session-22』(TBSラジオ 月-金曜22時)からは来週、荻上チキさんが代行MCとして『相談は踊る』に登場。首都圏で2ヶ月に一度行われるスペシャルウイーク(聴取率調査週間)ゆえの豪華な招聘かとは思いますが、いつもの番組とはまた違った一面がかいま見えるのではと思うと、こちらも楽しみです。

 

代行MCとして初登場した際、その代行MCからの相談が20時台最初に設けられるのですが、失恋の瞬間に受けた南部さんのトラウマゆえの問題を、一刀両断するスーさんが非常に格好良かったのが昨日の番組の個人的なハイライトでした。人の言葉は、その受け取り方によって重さも変わるしトラウマにもなるのかということに、客観的な視点って大事だよなあ、特に恋愛面においては...と痛感。"お墓を建てる"瞬間(最近番組でよく用いられている表現)にも出会えて、この日の放送は私的永久保存版となりました。放送の内容はポッドキャストで既に配信されていますので、下記サイト経由でお聴きください。

06/06(土)20時台オープニング「南部広美からの相談」 - ジェーン・スー 相談は踊る

 (試聴リンクが未貼付の際は番組サイト内ポッドキャストの項からご確認ください)

 

その失恋話に関連して南部さんが紹介した曲、聴いてみてかなり好みだったので、下記に備忘録としてメモします。ポッドキャストだと著作権の関連で曲は載せられないので下記経由でよかったら聴いてみてください。

・Lorraine Cato「Mighty Love」(1997)

(動画は最後の音が切れているので注意)

 

1990年台中盤のUK発R&B。この独特の溌剌さは、たとえば1995年にリリースされた、同じUK発のエターナル「Power Of A Woman」を想起させますね。

 

南部さんがラジオで言っていたように、「Mighty Love」にはリミキサー、デヴィッド・モラレスによるリミックスも収録(ただし「Love On And On」という別曲のリミックスですが)。この人選も時代だよなあとしみじみです。

 

ロレイン・ケイト。Discogsというデータベースサイトで調べてみたのですが、アルバムがどうやらリリースされずじまい。リリースの可能性があった作品はCD-R(それもテスト用に焼いた?)であり、しかも「Mighty Love」は未収録なんですよね。なんだかいろいろと勿体無い気がするのですが。

そんな彼女、調べてみると2007年にリリースされたJazztronikのアルバム『Grand Blue』(→iTunes Store)に参加していました。元来、同年春に為岡そのみさんをボーカルに迎えて発表された「Beauty-Flow」が、"Incognito Session"としてリニューアルされたもので、生音がより映え、またサビのメロディを差し替えたことでより現場のR&Bっぽくなった印象があります。そして、よりお洒落になった「Beauty-Flow」を歌うロレイン...「Mighty Love」から10年経つと、溌剌さにエレガンスも加わるんだなあと。聴いていると本当に惚れ惚れします。

 

ロレインは後に、インコグニートのツアーにボーカリストとして帯同し来日したことも判りました(◎ インコグニート、6ヶ月ぶりの来日|吉岡正晴のソウル・サーチン(2011年9月5日付)より)。現在もツアーのたびに帯同しているのか、またはソロシンガーとして活動しているかは不明ですが、南部さんやスーさんを唸らせる(想い出を鮮明に蘇らせる)きらびやかな歌ヂカラはあるのですからいつかソロ作を...もしくはお蔵入り盤の復刻を、と思うのは自分だけではないでしょう。

 

 

それにしても、アルバム出せずじまいのロレインの曲がTBSラジオによくあったなあと。もしかしてロレインの音源、南部さんの個人所有だったりするのでしょうか。