イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

自問自答の掲載とインサイト・サービスの開始で、より"見える"チャートになったビルボードジャパン

以前からここで紹介しているビルボードジャパンにて、特設サイトが作られています。6月3日からのチャートリニューアルに合わせてのものです(リニューアルの内容については弊ブログ内、ビルボードジャパンのチャートが今月リニューアルへ(6月1日付)に掲載しています)。

 

 昨年の新指標合算以来、ジャパンチャートについて多くのお問合せを頂きました。今回のメジャーアップデートに合わせ、FAQをまとめました。

 頂いた質問のお陰で新しいアイディアを思いつくなどなど、非常に参考になりましたこと、この場を借りてお礼を申し上げます。そしてこれからも宜しくお願い致します。

ビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPANより

 

自問自答における最初の設問、【セールスについて - ①サウンドスキャンのフィジカルセールスと他社の違いは何ですか。】は、ここで以前疑問視したコンサートチケットへのCD"同梱"(オリコンチャートのチケット”同梱”カウント問題。問題はカウントそのもの以上に根深い(4月24日付)や劇場盤のカウント(AKB48「僕たちは戦わない」、2つのセールスチャートで124万枚以上の差が生じる(5月28日付)についてのビルボードジャパンの姿勢を知る手助けとなり、深く納得しました。このセールス面を含む総合チャートを形成する各指標について、総合チャートの設計思想、そしてそもそも"ヒットチャートって要るの?"という疑問について、懇切丁寧に解説しています。

 

特設サイトと同時期に、総合および各指標毎のチャートが一目で分かるインサイト・サービスも今月からスタート。チャートは1~20位までの閲覧が無料となっています(有料会員になれば100位までの閲覧が可能に)。昨年の年間チャート(Billboard JAPAN Hot100 Year-End 2014)を"遊んで"みて楽しいと思った方はインサイト・サービスを体験することをお勧めします。様々な角度からの流行が分かりますし、意地悪な言い方をすれば各曲(歌手)の弱点も見えてきます。ヒットしている理由、そしてここをこうすればもっとヒットするんだろうなというのが解るはずです。

 

(ビルボードジャパンにひとつだけ改善を求めるならば、インサイト・サービスにおけるセールスの指標は合算せず、フィジカルセールス、デジタルセールスおよびストリーミングに分けて表示してほしかったと思います。それにより、どの曲(歌手)がインターネット経由でより聴かれているのか、インターネットにフレンドリーか否かがより明確になると考えます。)

 

 

自問自答の掲載、ならびにインサイト・サービスのスタートによって、ビルボードジャパンはより流行が"見える"チャートになったと実感します。同時に、内情やスタンスをより明確に"見せる"ことは、ユーザーからのより深い信頼にもつながるはずです。

ビルボードジャパンに興味を抱いた方は、ビルボードジャパンが提供するチャートを今後チェックし、より多くの人にビルボードジャパンの存在やその価値を広めていくことをお勧めします。それにより、ビルボードジャパンはより大きな意義をもったチャートとして存在感が高まり、ゆくゆくは日本にて最も権威があるチャートとして認められ、日本において"公式化"するものと考えています。