イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

日本でもYouTube再生数で潜在的人気が証明された世界的ヒット曲

YouTubeが過去10年で最も試聴されたミュージックビデオTop20を発表 | Musicman-NET (5月20日付)

リンク先に、順位および全曲のYouTubeへのリンクが記載されています。アナ雪や妖怪ウォッチの強さ、きゃりーぱみゅぱみゅSEKAI NO OWARIの台頭など、CDセールス(オリコンのランキング)にはほぼとらわれていないものとなっています。CDセールスでは常にトップを獲得するAKB48に関しても、カラオケチャートに登場するようなキャッチーな曲が上位に来ている印象がありますし、全体的にみると、忘年会の出し物や運動会等の披露の目的で振り付けを確認するため、ダンスが印象的な楽曲が上位にランクインしているように感じます。

なお、このチャートに2曲を送り込んだ(少女時代「MR.TAXI」、三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE「R.Y.U.S.E.I.」)、プロデューサーのSTY氏がコメントしていますのでこちらも是非。お会いしたことはないのですが、氏らしい表現だなあと。

#MusicBusiness #MrTaxi #RYUSEI | STY (5月21日付)

 

ちなみに上記トップ20における洋楽は2曲。

・8位 PSY - GANGNAM STYLE (강남스타일)

・12位 Taylor Swift - We Are Never Ever Getting Back Together

 

テイラー・スウィフトは『テラスハウス』(フジテレビ系)に使用されたことでiTunes Storeチャートでも長期ランクインを果たし、彼女の日本における知名度向上に大きく貢献しました。

一方でPSYは、『この10年の間にアップロードされたすべての動画の中で、世界中で最も再生回数を集めた』(上記Musicman-NETの記事より)にも関わらず、未だ日本ではリリースされないまま、なのです。これは以前ブログにて言及しているのですが、状況はほぼ好転していません。

PSYの日本未発売が続いている事態について - face it (2012年12月27日付)

フィジカル(CD等)では国内盤が未だに販売されないままですが、上記ブログを書いた後になってiTunes Storeでは取扱が開始されました。iTunes Storeではリリースは2012年1月1日と記載されていますが、レビューを見る限りどうやら2013年春に配信開始されたようです。その遅ればせながら感にも辟易しますが(しかしながらきちんと発売するだけまだましだと思います)、レビューでの嫌悪感には辟易を通り越して、あまりの感情論に失望してしまいました。まるだしの嫌悪感はあたかも、そのレビューを書く集団(イコール国)の民度を示す、悪い意味での鑑であるかのようです。純粋に音に対して評価することは出来ないのでしょうか。

 

おそらくは以前のエントリーで書いたこと、もしくはiTunes Storeでのレビューで明示された嫌悪感が根底にあることで、セールス面ではほぼ完全に無視されてきた(それ以前にセールスという土俵にすら立たせてもらえなかった)PSY「Gangnam Style」ですが、YouTubeでは再生数という客観的な数値により、日本でもその人気が証明される形となったのは皮肉かもしれませんね。なんだかんだ理屈は並べてみたものの無視できない存在だったのでしょう。ならば理屈は抜きにして、”純粋に音を楽しむ”姿勢を採るのはどうでしょう。その姿勢を多くの人が持ち合わせれば、もっと様々な音楽が受け入れられ流行し、音楽環境はより好くなるのではないでしょうか。