イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ニッポン放送のスペシャルウイークの捉え方への違和感

今週、首都圏のラジオ局は聴取率調査週間に突入しています。そのため各局は番組に力を入れており、豪華プレゼントや豪華ゲストを用いて数字(聴取率)獲得に躍起になっています。個人的には、聴取率を視聴率のように毎日測ろうとしなかったり(調査方法が手帳?を用いたアナログのやり方らしく、それゆえ仕方のないことではありますが。ならばradikoの数字等客観的にカウント出来るものをなぜ勘案しないのか等疑問も)、たとえば諸々豪華にしていない週を抜き打ちでチェックすることなど、どうしてやらないのかという疑問を抱いているのですが、それは一旦置いておきます。

 

その聴取率調査週間、いわゆるスペシャルウイークにおいて、ニッポン放送オールナイトニッポンGOLD』(毎週月-金曜22時)の問題を以前指摘させていただきました(ニッポン放送、スペシャルウイーク中の『オールナイトニッポンGOLD』対応がしっくり来ない(4月17日付)参照)。が、ニッポン放送への違和感はそれだけではありませんでした。50年という歴史を持つ番組、『テレフォン人生相談』(『垣花正 あなたとハッピー!』に内包し11時より放送。ニッポン放送をはじめ全国ネット)についても同様のことが言えました。

 

今週の『テレフォン人生相談』のラインアップは下記の通り。

 

 スペシャルウイークゆえに厳しく重い相談内容のものが多く、自分は水曜および金曜放送分を聴いていたのですが、聴いていて色々と疲弊する…という印象がありました。リスナーからすれば、相談内容が重ければ重いほど自分とは無関係ゆえに楽しめる…という(誤解を招きかねない表現を敢えて用いるならば)不謹慎さが人気の秘密なのかもしれません。

さて、この週のパーソナリティは加藤諦三今井通子両氏のみ…これはどういうことなのでしょうか。たしかに今月1日に新加入したドリアン助川氏は入って間もないですし、勝野洋氏は朴訥過ぎて起伏に富まないという印象ゆえに(言葉は悪いですが)面白味があまりないという感覚はあります(双方について、以前ブログで言及しました)。しかし、スペシャルウイークになると決まってパーソナリティが偏るという以前から見られたこのシステムはなんなのでしょう。正直なところ、以前は加藤氏の締めの言葉を聞くことが出来てためになる等の理由からこのシステムを歓迎してはいました。しかし、起用されないパーソナリティーの存在を、彼らの立場になって考えてみるならば違和感を抱かざるを得ないのです。

 

スペシャルウイークは他局においては、通常の番組・通常のパーソナリティーを基本としてそこに最良の企画、豪華なゲスト、豪華なプレゼントを用意するというのが通例であり、パーソナリティ自体の差し替えはほぼありえないことでした。春もしくは秋改編に向けて、春改編ならば十月もしくは十二月、秋改編ならば四月もしくは六月の聴取率が芳しくない場合、番組もしくはパーソナリティの変更を視野に動き出し、パーソナリティの休養期間に変更予定の次のパーソナリティを(スペシャルウイーク以外の時に)代打で用いて反応を見るというのが基本的な流れだと伺ったことがあります。つまり、『テレフォン人生相談』や先述した『オールナイトニッポンGOLD』では通常のパーソナリティー自体変更しているために通常のパーソナリティーでの数字(聴取率)がそもそも測ることが出来ず、人気か否かが客観的に見えてこない、それでいて差し替えが突然やってくる…という形となり、パーソナリティにとっては大事にされていないのではという不信感が芽生えてもおかしくないと思うのです。

 

それと、たしかに最良の企画を用意とは書いたものの、その結果が今週の【誰にも言えない”家族の秘密”】だとしたならば、ニッポン放送側にとっては先に書いた"不謹慎さ"こそ数字(聴取率)が見込めるコンテンツとして捉えているということではないかと。相談者の深刻な悩みを、ともすれば安易にネタとして軽んじて用いてやしないかという違和感を抱かずにはいられません。無論、相談する以上は(相談者の声を加工することなく)世間に発表されるわけで、それを理解の上で相談者が相談しているということなのでしょうが。考え過ぎと言われればそれまでですが、違和感は拭えないんですよね。

 

 

先日の『オールナイトニッポンGOLD』のエントリー直後に読まれた方からコメントをいただいたのですが(あらためて感謝申し上げます)、同枠での通常放送のパーソナリティ陣を聴取率調査週間にて差し替えるという事態は10年以上前から続く慣例だそうです。他方、TBSラジオは今年二月の聴取率が首位となり、13年8ヶ月連続で首位を継続中とのこと。おそらくはTBSラジオに抜かれたニッポン放送が、追いつけ追い越せとして通常パーソナリティの差し替えを行ったのだろうと推測出来るのですが、それが逆にパーソナリティの、更にはそのパーソナリティのファンであるリスナーの、ニッポン放送への不信感を増幅させたのではないかと。そう考えると、その姿勢からの脱却こそがニッポン放送再浮上のための最初のキーワードではないかと思うのです。



ちなみに、水曜日の『GO!GO!らじ丸』(RABラジオ 月-金曜 11:55)の開始直前、ミッツ・マングローブオールナイトニッポンGOLDは今夜10時から、という番宣が流れていました。今週は月-木曜担当が小林克也さんであり、これはRABラジオのミスだとは思うものの、とはいえニッポン放送が毎週きちんと同じコンテンツに徹していないからこそ起こる弊害なのでは?と邪推してしまいます。