イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ラジオ企画案】”ラジオ内パブコメ募集と結果の開示”で自発的な投票促進に繋げてみては

今日はちょっと真面目に政治の話。

 

 

先日行われた統一地方選青森県議会選挙の投票率は51.08%で、『2011年の前回県議選を0.60ポイント下回り、過去最低を更新、投票率は10回連続で低下した』(投票率10回連続低下 「一斉啓発」なお途上/県議選/Web東奥(2015年4月13日付)より)とのこと。個人的には五割を下回るのではないかと危惧していたため、ほんの少しだけ安心したというのが本音です。

 

自分は投票については棄権しませんでしたし、今後も棄権するつもりはありません。その考えの根底にあるものについては以前書きました。

【Diggin'】13. Domestic Best Songs 2012 - face it(2012年12月28日付)

そして、今から11年前の【輸入盤の輸入禁止が可能となる著作権法改正問題】が、当時そこまで政治に関心がなかった自分を、政治への自発的参加に結びつける大きなきっかけとなりました。同問題についてはたとえば下記の書き起こしが分かりやすいかと。

5/6J-WAVE ”JAM THE WORLD”著作権法改正と輸入CDの規制について - facethemusic(2004年5月7日付)

これを書き起こした当時は感情を素直に出し過ぎていたなと反省(今でもさほど変わってはいませんが…)。とはいえ、音楽が好きで輸入盤をよく購入していた自分にとってはあたかも腕をもがれるくらいの大問題であったため、当時の衝動は今でも忘れていません。とりわけ、真っ当且つ理論的な数字等を持って改正を反対したとしても、最終的には消費者ではなく著作権法改正を支持する側ばかりの声(それもとんでもない数字等)だけを考慮した当時の与党の姿勢に辟易してしまいましたが、一方で当時の野党側には消費者側の意見に耳を傾け賛同し、最終的には改正反対の立場になっていただいたことで、真摯に伝えることで変わる可能性があるということを体現しました。改悪と言っても過言ではない著作権法改正案は通ってしまいましたが、輸入盤の輸入禁止は認めんとするタワーレコードHMVの共同声明や有名無名問わず多くの反対の声が監視の役割となり、現在に至るまで禁止の動きはないように思われます。おそらくは反対の声の大きさが、法改正を支持した側にとって無視出来ない存在、抑止力と成ったからでしょう。ゆえに、たとえ一縷であってもその望みがある限りは動けば何かが変わる、だから動こうと思った次第で、以降の政治行動への指針となっています。

 

 

自分の場合はそういう経緯があったからこそ棄権してはいけないと思うに至っているのですが、おそらく、投票に参加したくても出来なかったほんの一部の方を除く、いわば投票棄権者について、なにかしら死活問題が登場しそれが政治と密接に関係していると実感出来れば、政治を身近に感じ自発的な投票行動に繋がると思うのです。大事なのは、投票に”行きたくないけど行かないといけない”ことを促す義務感を宿させるのではなく、あくまで”自発的に”投票に行く、という姿勢を持たせることでしょう。

 

その点において、投票日まで盛んに県内メディアで謳われていた、投票率上昇を促すための宣伝文句には果てしない違和感を覚えたわけです。曰く、『投票率2年連続全国最下位-ホントにこれでいいですか?-』。ニュースは勿論のこと、たとえば『GO!GO!らじ丸』(RABラジオ 月-金曜午前11時55分)の火曜日の特集でも投票率について考える内容が組まれ、おそらくは同様のことが謳われていたと思われます。しかしこれらの動きは決まって、投票の直前でないと登場しないため付け焼刃的なものに過ぎません(投票日になると登場する”投票しましょう!”的発言の、言葉は悪いですが薄っぺらさも同様のものかと)。そして、政治への自発的な参加のスイッチが入っていない者にとってはその煽り文句は暖簾に腕押しであり、それどころか、仮に自分が政治への無関心を理由に投票しないと決めていたならば、”ホントにこれでいいですか?”と言われても、”うっせえ!何も変わらない(変えない)くせに偉そうに”とむしろ反感を抱きかねず、その点で逆効果だと思うんですよね。投票翌日、投票率の低下について語った青森県選挙管理委員会安藤毅事務局長は、ATV『わっちニュース』(毎週月-金曜18時15分 生ワイド番組『わっち』内)の取材に対し、『私ども選挙管理委員会として残念に思っています』とコメントしていますが、厳しい物言いですが、付け焼刃的方針で有権者を煽るしか出来なかった選管の対応も、有権者の棄権行動と併せて”残念”だと思いますね。

 

 

大事なのは、”一人ひとりが参加することで、変えられる可能性を実感できる”ための方策。いわば、『北風と太陽』でいうところの太陽のような、受け手が自発的に行動する(物語でいうところの服を脱ぐ)ことを促すように動くこと。そしてそれを中長期的な視野で実行することにある、というのが私見です。

そこで、(前置きが長くなってしまいましたが)こんなメディア企画案を考えてみました。

 

【知事や行政担当者がラジオの生放送に参加し要望を受け止める企画】

知事や、もしくは県の行政機関の職員が出演する番組は多数あります。しかしながらそれら番組はあくまで一方的に情報を送り出す(そして視聴者やリスナーが一方的に受け止める)ものでしかありません。特にラジオ番組では明らかに原稿をただ読んでいるだけの(そう聴こえても、捉えられてもおかしくない)棒読みが目立ち、効果が薄い気がするんですよね。そこで、そういった原稿が不要な、目安箱的な番組を用意してみてはいかがでしょう。

知事や行政担当者が出演し、その番組(もしくは番組内特集。それらを含めて番組と呼ぶことにします)に対して大小関係なく様々な問題を寄せていただいたり、もしくはふと思った素朴な疑問を投げかけたりするような目安箱を用意。寄せられたもののうち、瞬間的に解決出来ることはその場で伝え、もしくは知事や行政担当者の管轄外ならばその旨を伝えます。そして、どんなに好い意見であったとしてもすぐに”やりましょう”というのではなく(リップサービスになる可能性もあるため即座の決定は好くないかと思われます)、様々な意見は一旦持ち帰り、番組を定期的に開催して次回に必ず解決策や具体的な実施内容を呈示する…というのが企画案です。

 

実は同様の試みは、既に青森県では実施されているんですよね。

県民参加型県政の推進

 よりよい地域社会をつくるためには、行政だけではなく、地域に生きる県民自身、そして市民活動団体、企業などの様々な関係機関が、自らの責任と役割を自覚し、協働して課題の解決にあたっていくことが重要です。

 県政の運営においても、政策の形成から実施に至る、様々な過程において、「県民参加型県政」を推進していくことが重要であり、そのためには、県民や関係機関と県との協働関係を構築するとともに、多様な参加を保障する施策の充実が必要です。

 そこで、県民等の多様な意見を県政に反映するとともに、政策形成過程における公正と透明性の向上を図るため導入したのが、あおもり県­民政策提案­制度(パブ­リック・コ­メント制度­) です。

あおもり県民政策提案制度(パブリック・コメント制度) - 青森県より

意見を投じる場は既に存在。しかしそれが県民と行政で”リアルタイムで交わされる場”が(見え)なかったために、県民が行政に参加している、意見が叶おうとしているという実感が湧きにくいのだと思うのです。そのプロセスを見せるということは、先述した”自発的”感情を促す意味でも、そして政治を実行する側にとっては自身の行動を訴求出来るという意味でもプラスではないでしょうか(いわゆるWin-Winの関係というものでしょう)。

上記制度の実施要項(※PDFです)において、案の公表については県のホームページの他、『(1)報道機関への発表 (2)県の発行する広報紙等への掲載 (3)印刷物の配布 (4)説明会の開催』(実施要項より)での活用を努めて行うことと記載されていますが、それよりも双方向性のあるメディアで発表したほうがより影響力があり、浸透するでしょう。ならば、受け手がよりダイレクトに意見しやすいメディアであるラジオ番組もしくは特集の中で、その過程も見せつつ発表していくのがより好いのではないでしょうか。ちなみに、知事等の出演は難しいかもしれませんが、現知事は愛嬌のある方であり非常にメディア向きというかメディアが好きな姿勢が見てとれますので、知事に直接出演を打診してもいいのではないかと思うのです。

 

投票率の問題を踏まえてか、今月末の『GO!GO!らじ丸』の火曜特集に、青森県内で若者の選挙投票率向上を目指し活動する学生団体「選挙へGO!!」(Facebookコチラ)の担当者が出演するそうです。投票後にこのような動きがあることは非常に好いと思いますが、ならば上記私案も行っていただけたならば、県のパブリックコメント制度の趣旨である”地域に生きる県民自身(省略)が、自らの責任と役割を自覚”出来るようになり、4年後にはより高い投票率に繋がるのではないかと考えます。