イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

中島みゆきによる”漢”的セルフカバー集

先週放送のFMアップルウェーブ『わがままWAVE It's Cool!』(日曜17時。インターネットにて聴取可能です)にて、ももいろクローバーZ特集をお送りしました。ラジオスタッフ2名がとりわけ彼女たちの大ファンで、また主演映画『幕が上がる』も公開中のことから生まれた企画。それにしても、映画主題歌の「青春賦」に冨田恵一氏を起用したのは、(映画の内容的に合っているのだとは思うのですが)正直驚きました。ももクロ独特の歌唱法と冨田節全開のアレンジとが不思議な化学反応を起こしていましたね。あらゆる方向から外部招聘を試みる、ももクロのスタッフの柔軟性たるや、です。

 

そのももいろクローバーZが昨年リリースしたシングル『泣いてもいいんだよ』(→ YouTube)は中島みゆきさんの提供曲ですが、中島みゆきさんによるセルフカバー(シングル「麦の唄」収録 )のほうが、あくまで個人的にはしっくりくるということもあったことから、昨日の同番組の音楽特集”(放送記念日記念) 名物ラジオパーソナリティ”にて取り上げさせていただきました。

 

(ちなみに特集についてですが、放送記念日、しかも仮放送開始から90年というタイミングにもかかわらず民放では盛り上がっていないよなあ…と思ったらNHKが制定した記念日、なんですね。とはいえ仮放送開始があったゆえ今に至る道筋が出来たことを考えれば、民放でも関係なく取り上げていいのではないかと思ったり。それにリスナーの立場からすると、NHKだからとか民放だから…という線引はそんなにないように思っています)

 

中島みゆきさんはこれまでにも数々の曲提供を行っており、その度にセルフカバーも実行しているのですが、特に男性へ提供した曲、もしくは女性へ提供した”詞が刺さる”タイプの楽曲のセルフカバーにおいては、ロックを意識した歌唱によって迫力が備わり、また重厚なアレンジも相俟って、いわゆる”漢(おとこ)”度が倍増しているというのがみゆきさんバージョンと言えるでしょう。

 

では、そんな漢的セルフカバーを何曲か紹介します。今回、下記のサイトを参照させていただきました。非常によくまとめられていて素晴らしいデータベースとなっています。

中島みゆき - セルフカバー中心の音楽wiki

 

ちなみに曲目のリンク先は、曲名でのYahoo!の動画検索結果となっています(ミュージックビデオがYouTube未掲載、また音源未配信に伴う措置です)。

 

「宙船 (そらふね)」(TOKIOのセルフカバー)

  TOKIO版:アルバム『HEART』収録 → Wikipedia

  セルフカバー版:アルバム『ララバイSINGER』収録 → iTunes Store

「本日、未熟者」(TOKIOのセルフカバー)

  TOKIO版:アルバム『sugar』収録 → Wikipedia

  セルフカバー版:アルバム『I Love You, 答えてくれ』収録 → iTunes Store

・「あり、か」(田中一郎&世良公則のセルフカバー)

  田中一郎&世良公則版:田中一郎『IN』収録 → iTunes Store

  セルフカバー版:アルバム『回帰熱』収録 → iTunes Store

 ・「慟哭」(工藤静香のセルフカバー)

  工藤静香版:アルバム『My Treasure Best -中島みゆき×後藤次利コレクション-』収録 → iTunes Store

  セルフカバー版:アルバム『時代 -Time goes around-』収録 → iTunes Store

 

世良さんが加わって男性2名での歌唱となった「あり、か」にしても、中島みゆきさんの漢っぷりには敵わないというのは驚きですね。

ラジオと曲で別人格とも称される中島みゆきさんですが、曲においても万華鏡の如き七色の声を使い分けて一曲一曲それぞれの世界に合った歌唱法を用いるわけです(それこそ「麦の唄」と「糸」と「うらみ・ます」とでは全く別の歌手が歌っているかのような感じすら)。現役の歌い手で最も巧い方が彼女だと言っても過言ではない、と個人的に考えています。