イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

DREAMS COME TRUEとスティーヴィー・ワンダーの共通点

DREAMS COME TRUEの"オールタイム・ベスト"が7月7日に登場します。

1989年に発表されたデビュー曲「あなたに会いたくて」から2014年の最新シングル「AGAIN」まで、レーベルの枠を超えて厳選された50曲を収録。

(省略)

CDは吉田美和の発案により「LOVE」「TEARS」「LIFE」という3つのカテゴリーに分類された3枚組となっている。

 

ドリカム、レーベルの枠超えたベスト&“WONDERLAND”スケジュール発表 - 音楽ナタリー (2015年3月20日付)より (収録曲も掲載)

ドリカムはこれまでにベストアルバムを2枚リリース(復興支援のためのアルバムはコンセプトアルバムの趣があるため、除いてカウント)。いや本来は3枚で、最初のベストアルバム『DREAMS COME TRUE GREATEST HITS "THE SOUL"』(2000)の2年半前に本人達"非公認"のベストアルバムが勝手にリリースされたことがありました(現在は廃盤)。その出来事は個人的に、レコード会社の"思惑"などを初めて強烈に実感させられた体験でした。とはいえ、公式に2枚目のベストアルバムとなる『GREATEST HITS "THE SOUL 2"』(2009)は、ベストアルバム単体でのリリースはなく、オリジナルアルバム『DO YOU DREAMS COME TRUE?』に同梱する形で発売され(初回限定盤A)、熱心なファンはライブDVDを同梱した初回限定盤Bと両方買うのかもなあ…と想像すると、また違った意味での"思惑"に複雑な思いを抱かされたものです。そんな自分にとって今回リリースされるベストアルバムは、(非歌謡曲的なメロディを好む自分にとって、そういった曲が多くはないという思いはあれどもそれは置いといて、)"思惑"のない、純粋に楽しめる作品であるものと実感しています。

 

ちなみに今回のベストアルバム、3つのカテゴリーを用いて選曲されていますが、それで真っ先に思い出したのが、5年前にリリースされたスティーヴィー・ワンダーのベストアルバムでした。

今年2010年、スティーヴィー・ワンダーは彼の初レコーディング・セッションから丁度50年目を迎えました。この50周年を記念すべく、収録曲はスティーヴィー・ワンダーを形容する3つのキーワード=LOVE (恋愛、家族愛、友情), HARMONY (社会との"調和"、デュエット), ETERNITY (永遠のメッセージ)を基に制作しました。

●スティーヴィー本人の監修の下に制作、日本より世界に放つ公認ベスト盤! 

 

スティーヴィー・ワンダー - ラヴ、ハーモニー&エタニティ ~グレイテスト50・オブ・スティーヴィー・ワンダー[通常盤 ] - UNIVERSAL MUSIC JAPAN より (収録曲も掲載)

日本独自盤ながら非常に好い内容で、記憶が確かならばNONA REEVES西寺郷太さんがラジオ出演時(TBSラジオ小島慶子 キラ☆キラ』)に紹介していたはずです。中古CD店でも滅多に在庫を目にしませんし、安価で売られていた記憶もありません。

ドリカムとの共通点は【3枚組で、一枚毎に選曲のコンセプトを設ける】、そして【3枚組合わせて50曲が収録されている】というところにあります。ソウル・ミュージック好きなドリカム(特に中村正人さん)がスティーヴィーを意識したのかもしれませんし、共に同じユニバーサルミュージック所属であることを考えれば、もしかしたらレコード会社側の意向なのかもしれません。

 

ちなみに前者の条件を満たすものとしては、2年前にリリースされたさだまさし『天晴~オールタイム・ベスト~』も存在しますが、こちらは合計39曲。「親父の一番長い日」が12分半という長さを考えれば50曲どころか40曲収録すら難しかったのかも、と想像出来ますね。

 

 

最後に。選曲に関してですが、MISIAとのコラボレーションシングルである「I miss you~時を越えて~」(2001)が収録されていないのは残念でした。MISIAがメインボーカルゆえ…ということもあるのでしょうが、MISIAが一昨年リリースした3枚組ベストアルバム、『MISIA Super Best Records -15th Celebration-』(こちらは一枚毎にリマスターしたエンジニアが異なる)にも未収録なんですよね(同曲を含む、ベストアルバム未収録の良曲集については以前掲載しています)。中村正人さんによるサルソウル風アレンジはソウル/R&Bとしても純粋に楽しめる作品だっただけに、残念です。

iTunes - ミュージック - MISIA+DCT「I miss you~時を越えて~ - Single」

この曲がリリースされたのと同じ2001年1月には、m-flo「come again」(→YouTube)もリリースされており、非歌謡曲的な楽曲がセールス面で好成績を収めていたんだなと強く実感しています。