今回のエントリーを書いている段階で、Twitterの日本でのトレンド上位に”Apple Watch”がランクインしていて、関心の高さがうかがえます。その”Apple Watch”にぶつける形でその発表の直前にGoogleが”Android Wear”の新CMを公開。そしてそのCM起用され音楽がシャミール「On The Regular」なのですから、センスの良さを感じずにはいられません。
昨年11月にJ-WAVEチャートに初登場した際、クリス・ペプラーさんが一聴してハマったと言っていたのですが、自分も聴いて間もなくiTunes Storeで購入。極めて中毒性の高いトラックです。
11/23sun. 79位「ON THE REGULAR / SHAMIR」LA出身の19才のシンガー、シャミール・ベイリーことシャミール!中性的なハイトーンボイスと、オシャレなサウンドで話題の新人アーティストです!#jwave pic.twitter.com/p6G793vSuA
— tokio_hot100 (@tokio_hot100) 2014, 11月 23
音の浮遊感からするに、たとえばレ・シンズ feat. ネイト・サルマン「Why」やタキシード「Do It」(いずれも以前のエントリー、"元Saori@destiny"ことSaoriiiiiへの追い風と、消えない"しこり"にてミュージックビデオを掲載)といったような、ここ1年の(広い意味での)ディスコティークの流れにありつつ、ひとつのジャンルで括ることがナンセンスと思えるほどに万華鏡の如き不思議な魅力をもった楽曲。その万華鏡感が、たくさんの可能性を秘めていると想起させるゆえにGoogleが起用したのかもしれません。ジャンルレスな音楽は、『ギターのテクは片田舎で始めたパンク・バンドで覚え、(省略) リアーナからマック・デマルコまで様々なジャンルの音楽を吸収してきた』(ラスベガスからクールでカッコ良い19歳の天才シンガー、シャミール登場! - News - Beggarsより)ことで育んできたシャミール。若干19歳にしてあのアデルや昨年リリースしたアルバムが高評価だったFKAツイッグスなどが所属するXLレコーディングスと契約したのですから、その実力は既にお墨付きと言えるかもしれません。
そのシャミール、「On The Regular」を含むファーストフルアルバムが再来月にリリースされることが先ごろアナウンスされています。実に楽しみです。
〈XL〉期待の新星、シャミールが5月19日にデビュー・アルバム『Ratchet』をリリース。トラックリストとアートワークも公開されています>>> http://t.co/iJhqtqHGHa
— The Sign Voice (@thesignvoice) 2015, 3月 6
ただひとつだけ気になることを敢えて書くならば、プロモーションにおいて特に日本ではシャミールの”ジェンダー”を悪い意味で訴求(活用)するのではないかという懸念を抱きます。
これまたXLレコーディングスの新人シャミールの初TV出演映像が公開!!こ・れ・は!!!! http://t.co/6zqF55djRi
— HostessEntertainment (@hostessofficial) 2015, 3月 5
リンク先でのパフォーマンスは純粋に楽しめるもの。シャミールがもしかしたら中性的というよりはより女性的な面が強い方なのかもしれません(それをメディアに対して前面に出す方なのかもしれません)が、音楽会社の公式アカウントが”こ・れ・は!!!!”と、あたかもその特異性(と書くと語弊があることを覚悟で敢えて使わせていただきます)を強く訴求するやり方には違和感を覚えます(考え過ぎと言われればそれまでですが)。そうした売り方はしないでほしい、純粋に耳を惹く格好良い音楽なのだからその惹く機会を増やすための努力に専念してもらいたい、というのが個人的な意見です。