イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

”スクリレックス的な音”が入っています

(※追記 2019年11月24日:曲のYouTube動画を貼り付け直し、Spotifyリンク先を載せました。)

 

今年のグラミー賞で最優秀新人賞にノミネートされ、ダンス部門でリミックスを含む3部門を受賞し注目を集めているスクリレックス(Skrillex)が現在来日中、今日は大阪なんばHATCH、明日は新木場STUDIO COASTライヴがあります

2ndEPのアルバムタイトルにして彼の代表曲、「Scary Monsters And Nice Sprites」は特にグラミー賞前後でラジオでエアプレイされており、聴いたことある方も多いでしょう。子どもらしき雄叫びと共に曲が急展開し一気にうねり出す…NAVERまとめではダブステップを代表する曲として、まとめの冒頭にて紹介しています。

NAVERまとめ - 【必聴】 テンションの上がるDubstepまとめ 【クラブミュージック】(11月12日付)

 

Skrillex「Scary Monsters And Nice Sprites」

40秒頃からはじまる”ひずみ”ともいうべき音が、非常に癖になりますね。

 

ちなみにレディー・ガガ(Lady Gaga)は早くからスクリレックスに注目し、2009年の「Bad Romance」で彼をリミキサーとして起用。以降「Alejandro」「Born This Way」もスクリレックスが担当しています(レディー・ガガを含む、米Wikipedia記載のRemix一覧はコチラ)。

 

 

で、ここからは”スクリレックス的な音”をご紹介。

強烈な個性を持つ音が流行すると、そのエッセンスを取り入れた作品が続々登場するものです。というわけでここでは「Scary Monsters And Nice Sprites」のエッセンスを取り入れたと思しき5曲を取り上げます。あくまで私見です。

ちなみに前もって記載しますが、ここで取り上げたからといって”似てるのはおかしい!”と言うつもりは一切ありません。似てることを理由に訴えることができるのは唯一スクリレックス本人だと思うので(この考えはSaori@destinyの項でも記載しています)。

順番は、”スクリレックス的な音”が薄い方から。

 

 

EXILE「ALL NIGHT LONG」(動画はショート・ヴァージョン)

実は動画の最後、2分32秒あたりからほんのり薄く”ひずむ”んですが、むしろ強力なのはその後、少し歌った後から最後の大サビに行くまでの流れがカルヴィン・ハリスが手がけた(自身も客演にクレジット)リアーナ「We Found Love」的音。アガらないわけにはいきません。無理なくJ-Popに取り入れた好例。

 

浜崎あゆみ「Shake It♥」(動画はショート・ヴァージョン。アルバム『Party Queen』収録)

動画はショート・ヴァージョンなので聴くことできませんが、2分21秒あたりからやや”ひずむ”のが解ります。『人間の声のような太いベース』(先述したNAVERまとめより)が結構はっきりしてます。ただダブステップというよりは、彼女が得意とするロックテイストのアップチューンで、こちらも無理なく取り込まれていますね。

 

Madonna「Gang Bang」(アルバム『MDNA』収録)

マドンナとウィリアム・オービット等によるプロデュース。3分18秒あたりから、こちらは結構な”ひずみ”ですが、音程の高低差はさほどないのも特徴。淡々としたメロディラインに併せてのものかもしれません。ちなみにマドンナ自身、アルバムリリース後『スクリレックスをすごく聴いてる。彼はお気に入りの一人』と答えています(RO69 - ニュース - マドンナが今一番お気に入りのプロデューサーは?(4月5日付)より)。

 

モーニング娘。「恋愛ハンター」

”ひずみ”度は軽めですがアイドル曲の中では極めてキャッチー。そして冒頭に配したのは戦略的というか、狙ったと捉えていいかもしれません。現に自分はモーニング娘。の(そしてプロデューサーのつんく♂の)”確信犯っぷり”にあらためて気づいた次第。最新シングル「ワクテカ Take a chance」も現行のダンスサウンドを取り入れつつ、♪ワクテカテカチャーンスというシャウトっぽいフレーズがLipps Inc.「Funky Town」っぽかったりしてニヤリ、なのです。

 

三浦大知「Black Hole」(アルバム『D.M.』収録)

(上記はミュージックビデオのメイキング。)

”ひずみ”の強さも随一ながら、リリースが昨秋という早い段階だったり、サビ終わり直後の”ひずみ”の入り方が完璧だったり、更には歌モノに変化したのに全く違和感を感じさせない仕上がり(むしろダンスがより映える)…というのは、プロデューサーのNao'ymtのプロデュース力の高さ、そして三浦大知の咀嚼力などポテンシャルの高さ故でしょう。この曲が冒頭を飾ったアルバム『D.M.』はセールスチャートでトップ10入りを果たしています。

 

 

というわけで5曲を紹介しました。探せばまだまだ出てくるかもしれませんね。

スクリレックス自身の音の”ひずみ”度合いも非常に格好良いですが、そこにインスパイアされつつもダンスサウンドやロックテイスト、R&Bからアイドルソングまでに無理なく組み入れることのできる音楽家も実は凄いんじゃないかと思いますね。